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zoom RSS 一阿の 「問わず語り」7

<<   作成日時 : 2015/09/24 07:00   >>

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先月3日に阿川弘之が亡くなりました。しかしマスコミは何故かあまり取り上げませんでした。 連日、芥川賞をとったピース又吉のことで持ちきりです。勿論悪いことではありません。ただマスコミの本質がよくわかります。

阿川尚之(慶大法学部教授)は長男で、著書「海の友情」は戦後海上自衛隊と米国海軍の関係を書いて海上自衛隊の功績を紹介しました。この中には外務省が羨むくらいの第七艦隊と海上自衛隊の良好な関係も、海幕長であった吉田学(兵学校75期)の見事なはたらきも出てきます。

前掲(問わず語り6)で「かな遣ひ」のことを書きましたので、話を進めます。阿川弘之(文化勲章)は、戦後志賀直哉の知遇を得、小説家として出発、海軍提督三部作「山本五十六」「米内光政」「井上成美」は有名です。勿論その他多くの著書があります。

阿川弘之と那珂太郎の対談が『宙・有その音』(那珂太郎著・平成14・花神社)に出てゐます。その中で「日本語の特質と旧かな遣ひ」があります。それには、どのやうな経緯で、新かな遣ひができたかが語られてゐます。


248頁・・・

「那珂 : 志賀直哉の話にもどりますが、志賀さんが日本語をやめにしてフランス語を遣ふといいと言はれたのには、驚きましたね。正直に言ひますが、あの時期ぼくはあれで志賀直哉を前ほどは読まなくなってしまひました。

阿川 : さういふ人が他にもゐますね。志賀先生は直感でものを言ふから、短絡的になるところがあるのね。論理的に思考を練りに練ってといふ方ではないでしょ。公害問題が資本主義のせいで起こるのなら、いっそ日本もアカになってしまったはうがいいともおっしやったけど、さうはいきませんよね。さすがにあのときはこのぼくも先生に楯ついた。フランス語説も、ごもっともですと言ふわけにはいかないから黙ってました。ひたすら。(笑)。

那珂 : 最後まで撤回しなかったんですね。

阿川 : あれだけ美しい歯切れのいい日本語を書く人がああいふんだから、これはどうも弱りました。 丸谷才一さんにはぼろくそに貶されてしまふし。ただ若干弁護しますと、一つには日本語は論理的に表現しようとすると、やっかいな言語ですね。「ピストルを構へて逃げる犯人を追跡中の警官が」って、かう新聞記者が書きますね。ピストルを構へてゐるのは警官なのか犯人なのかわからないでせう。

那珂 : 関係代名詞がないから。

阿川 : さう。例へばかういふ日本語のアイマイなとこ、スカッとしないところが、志賀先生、我慢ならなくなるんです。

那珂 : でも、志賀直哉は新かな遣ひと漢字制限には賛成されなかったんでせう。

阿川 : されなかったです。

那珂 : 元旦用に朝日新聞に寄稿した随筆がずたずたに改竄されて怒った話が出てきますね。

阿川 : 「寅年」といふ随筆ね。あれにはすっかり腹立てちやって。

那珂 : たまたま今出てゐる岩波文庫の「小僧の神様」を買ったら、収録されてゐる「焚火」が「たき火」と表記されてゐました。

阿川 : さうですか。けしからんな。「焚」の字が、当用漢字になくて遣へないといふことかしら。

那珂 : さういふことなんでせうね。漢字と平かなを混ぜて書く混ぜ書きといふのは見苦しいですね。題名が 「たき火」 ではかなひません。

阿川 : これは文庫のはうの方針に従ったものでせうかね。 全集ではそんな馬鹿なことはしてゐませんが。

那珂 : 文章も、漢字で書かれてゐる部分が平かなに直されてゐたりすると、志賀直哉の文章のリズムではなくなってしまふんですね。

阿川 : そりやさうですよ。 (ーーーここから本題にはいります。(一阿注)ーーー)

那珂 : 戦後の新かな遣ひも、問題ですね。いかにも便宜的で、論理的な一貫性がない。もう二十年くらゐ前に佐伯章一さんがアメリカで日本文学の講義をしたら、旧かなの方が動詞の活用を教へやすいといふんですね。新かなになると、行が変わったりしますでしよ。一番困るのは、おかげで今の学生は古文が読めなくなった。文語文法が現代語とつながらないので、旧かなを読むためには全くあたらしい勉強をしないとけないんです。

阿川 : 僕は頑固だから、今度の 『志賀直哉』もさうだけど、全部歴史的仮名遣ひです。こんなことを喋ると本が売れなくなるかな。 (笑)。

那珂 : 最初に新かなにしたのは角川文庫です。漱石でも鴎外でも、新かなにしたら、断然売れゆきがよくなったさうです。

阿川 : だから最近は内田百間まで、新かなにしてしまった。中村武史さんは、冥土の先生に叱られるのを覚悟でさうしたって書いてます。

那珂 : 今は大学の国文科の学生が卒論を書くのに、漱石でも鴎外でも、ほとんどが全集なんか買はずに、文庫の新かなの本を読んで書くんださうですよ。

阿川 : ああ、さうなの。

那珂 : だからこれはほんとに困りますね。戦前の文献がもう、ろくに読めないんです。

阿川 : 福田恆存さんの 『私の国語教室』。 あそこで書かれた見通しは立派なものですね。今もみんなが考へてはっきり答へを出さないといけない問題が提出されてゐます。

那珂 : さうですね。あれは大変な労作です。戦後すぐの頃、マッカーサー司令部ではいろんな調査をやった結果、漢字を悪魔の文字と称して、日本がああいふ無謀な戦争に突入したのは、漢字といふ一般の庶民にはわからない記号を用ゐたからだ、廃止するかもっと少なくしろといふやうなことで、文部省から国語審議会にはかって、新かなだの当用漢字だのというああいふ訳のわからぬものを決めたわけでせう。ところがGHQの係官があとで田舎を回ると、識字率は、アメリカや他の文明国よりはるかに高いことが確かめられて、それからはもううるさく言はなくなった。それをローマ字論者やカナ文字論者がどさくさ紛れに決めてしまったのです。

阿川 : その話で思ひ出した。黒船でやって来た連中が、下田あたりでねんねこ半纏に子供を背負
ったみすぼらしいみなりの裸足の女が、熱心にお触れ書きを読んでるのを見て、かういふことはアメリカではあり得ない、これは大変な教養のある民族なんぢゃないかとたまげたさうです。」

以上で対談からの抜粋を終ります。


私(一阿)は思ふのです。国語が乱れた結果、自分では気づかないうちに、考へ方が戦前の美しい日本人にもどれないほど遠くへ来てしまったのではないかと。それほど占領軍は日本の再起を恐れたのです。マスコミや反日議員の行動をみてゐますと、彼等の仕掛けた目に見えない時限爆弾が戦後70年経って爆発している現場を目にします。特に先週末の安保法案反対に対する、野党や市民の暴力的な情念やマスコミに煽られての思い込みを目の当たりにしますと、まるで他国人と錯覚するほどです。

美しいとは「教育勅語」の「克く忠に克く孝に億兆心を一にしつ世世厥(そ)の《美》を済(なせ)るは・・」の美です。大体真・善・美 なんて発想はカントの価値分類で、日本古来のものではありません。

大和民族には渾然と一つになった《うつくしい》こころが在りました。理屈の国ではありません。問はず語りの国です。なんでも理屈で考へて相手をやりこめないと気が済まない外国(とつくに)とは違ひます。明治維新以降、特に大正時代に入り、西洋に追いつけ追い越せで、高い襟をつけたハイカラさんへの尊敬と真似が極端になりました。

勿論わが国が発展してゆくためには無くてはならない過程です。しかしそこで日本人の歴史とプライドを忘れてしまっては元も子もありません。戦前使ってゐた国語を変へられても、憲法を変へられても、何の痛痒も感じないばかりか、あの安保法案採決の最後の一人山本太郎の醜い無駄話を見てをりますと、お前はどこの国の人間だ!と叫びたくなります。昔は与党野党と言っても、ともに大東亜戦争を戦って、レイテ沖海戦では、一緒にシブヤン海を泳いだ人達です。共産党を除いては、この先輩達が論戦を闘はせてをりました。

永末英一は民社党の党首でしたが、乗艦の重巡・摩耶が沈み、救助されて乗った武蔵も沈みます。九死に一生を得た彼は戦後社会党から立ちますが、生涯自分が、レイテを攻めた栗田艦隊の長官栗田健男提督の副官であったことを忘れませんでした。昭和53年、水交会で偲ぶ会があった時、永末氏は「長官は すぐき がお好きだったので、季節になると何時も京都のすぐきをお送りして、とてもお喜びになりました。」と懐かしそうに語ってゐました。(尤も私《一阿》は栗田健夫長官をあまり評価しませんが)

戦前の人は主義主張は異なっても、国家を思う気持ちは同じでした。しかし最近は、共産党はじめ民主党、社民党、大阪派の抜けた維新の党、生活の党、山本太郎となかま達 等々 論説や行動を見ると、国家はそっちのけと言ふよりも、反日 亡国 の言動が目につきます。 それも仕方がないかもしれません。日本国歌が大嫌いな総理大臣 菅直人 を選ぶなんて失敗をしてしまったのですから。

中村天風先生はよく言はれました。「お前達の心を操縦してゐるのはお前達の潜在意識なんだよ。」「これはね、人間の理性の更に上にある霊性の住みかなのだ。」 「霊性とはね、神仏のことだ。キリストや釈迦のことではない。古代インドでは人間を超へた不思議な力を宇宙霊と言った。なかなか面白い言い方だ。」 「潜在意識は寝てゐても働いてゐる。しかし人にはおろか、自分にも分らない。この潜在意識の中には、宇宙霊の持つ無限の力と結びうる不思議な働きがあるのだよ。」 そうしてこの潜在意識を綺麗に掃除する方法を一生教へ続けられたのでした。

宇野千代や京セラの稲盛和夫は天風会員ですが、私は会員ではありません。ただ63年前言葉で尽せない程お世話になりました。さて、天風先生が潜在意識の掃除で一番大切にされたのは、「暗示」でした。我々は生涯暗示に囲まれて生きてゆきます。人は80年か90年、その暗示によって人生観や思想を持ち、国家は何百年か何千年の暗示の末にその国の文明や国家観を持ちます。現代の世ではテレビが暗示にとても大きな力を持ってゐます。

朝から晩まで強烈な色と音で我々を取り巻くのですから。この放映がサヨク的だとこの暗示にかかります。サヨクな国会議員が自分が何を言ってるのか自覚なしに反日 亡国の言を為すのは小さい時からの学校の先生やテレビの暗示による影響が大きいのです。これを防止するただ一つだけ方法があります。 それはテレビ等を見る時に、作られたニュースやワイドショーや解説者の説明を鵜呑みにせず、「本当にそうかな?」と一度遠くから眺めることです。

暗示は批判精神には弱いと思います。自分のちゃんとした考へと信念を持つのが何よりの対応策です。GHQは二千年の優れた歴史を持つ強い日本に戻らぬやうに、色々な時限装置を施して去りました。憲法 漢字制限 新かな遣い 教育 極東裁判史観・・・ただこの逆境の中で自らの力で、日本の本来の姿を見つめ直し、戦後の自虐史観からの脱却を信念された若い方々の姿には頭がさがります。私は何時も思います。「あの富士の嶺から染み込んだ伏流水のやうに清らかなもの」だと。


― つづく―

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