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zoom RSS 一阿の 「昨日の空」U−3

<<   作成日時 : 2013/04/22 07:00   >>

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「私は各地の天風会の中で、神戸と言う街に特別な思ひ入れがある。 」羽織袴で結城の紺を粋に着こなし、陛下から賜った印籠を腰に、あの堂々たる声でゆっくりと話されるのでした。

天風先生はヒマラヤのカンチェンジュンガ山麓の村でヨーガの哲人カリアッパ師に心身を救はれ大悟徹底の後、母国日本を指して帰途につきます。その途上、辛亥革命の最中で、請われるままに孫文の顧問を勤めるのです。

孫文の日本亡命に際しては、彼自ら孫文を舞子の六角堂に匿ってゐます。私は天風先生の話を聞いて六角堂へ行ってみた。昭和30年代 六角堂は無人の廃墟で室内は荒れ放題であったが窓から淡路島が霞んで見えた。布引、徳光院での話である。

講話の会場は東京は護国寺の月光殿、京都は祇園の歌舞練場と大体決まってゐたが、神戸は転々とした。夏の修練会を神戸山手小学校の講堂でやった時のことである。昼食時みんなで笑うことになってゐたので、「笑へ」と言う掛け声で皆が一斉に大声で笑った。

尤も掛け声で笑うなんてことは無粋だが、不思議なもので、いやいや笑ってゐてもその内、笑いの渦に入ってゐるのに気がつく。食事は愉快に越したことはない。さてそれから午後の修練が始まるまでの暫時、天風先生が青年達の質問を聞く時間が設けられた。一人の大学生が立ち上がって「天風先生は『べ平連』をどう思はれますか。」と聞いたのである。一瞬座がサッとしらけた。

このやうな質問は修練会場では不似合いだ。K.Yもいいところだ。困ったことになったと一瞬私は天風先生の顔を見やった。ところが、先生は表情一つ変へずむしろ笑顔で答へられたのだ。「それは大学で教わりなさい。ここはそうゆうことを教えるところではない。」

一瞬の淀みも気まずさも入る隙はなかった。当時「べ平連」は昨今の「原発反対」「オスプレイ反対」以上に強大な勢力を誇ってゐた。ある有名な教授なんかは「べ平連」の組織こそが会社経営の組織として一番学ぶべき形態である。なんてことを言いだす始末。つまり中核が分からず中心がないのに、その回りを守る掴みどころのない群れの力が異常に強大なのである。

当時ホーチーミンと毛沢東を尊敬せぬ輩(やから)は人にあらずの時代であった。
「ヨーガ哲学では人間がどうしても分からない不可思議で偉大なものを宇宙霊と言ってゐる。これは面白い言い方だ。神とも仏とも言っていない。」
「お前達の霊性の中にこの宇宙霊と通ずる偉大な働きがある。」
「そんなものは見たことがないと言ふものがをるが、それは本心、良心のことだ。」
「諸君の潜在意識を積極的に掃き清めれば自ずと霊性は出てくる。」話しは佳境にはいる。
「諸君の心や身体、 理性や感情や心臓や手足はこの霊性が着ている衣に過ぎない。」
「尤も積極的と言うのは肩を怒らせてがむしゃらに突き進むことではない。春の海 ひねもす のたりのたりかな。のあの気持ちだ。」

学生は、この先生に「ベトナムに平和を!市民連合」の良し悪しを聞いたのだ。健康法の話しをしてゐる時に背広の良し悪しを聞くやうなものだ。昭和43年護国寺に天風会館が完成したが、その年の12月1日先生は帰天された。真新しい会館で葬儀は行われた。葬儀委員長は笹川良一であった。

最後は遠山 満(玄洋社)が自分の上座に据えて敬意を払った中村天風(三郎)であったが、この偉人は既に右とか左とかリベラルとか保守と言ったレベルを超えてゐたのである。その葬儀の中で、愚老は一寸違和感を覚えた事があった。笹川良一が弔辞で「天風君」と君づけにしたことである。

勿論笹川良一氏も社会貢献をし立派な人であるが、何か言い得ぬところて質が異なるのである。関東大震災の東京を見事に復興した後藤新平が心酔し東郷平八郎元帥が最後に「死んで行く時の心の持ち方」について教えを乞うたこの中村三郎(天風)先生を「君」と呼んではいけない。

昭和43年以降愚老は一度も天風会を訪れてはゐない。しかし大して健康法もやらないのに87歳で多少は力が残ってをり、少しでも日本の国を美しいまま子や孫に引き継いで行きたい気力だけは残ってゐる。天風先生のお陰だ。「凧(いかのぼり昨日の空のありどころ。蕪村」 この句はいろいろの鑑賞が出来るが、愚老はふと凧は大和魂で昨日の空は神武以来ずーっと続いて来た日本人の美意識そのもののやうな気がしてならない。

そして天風先生は見事に舞い上がった大和魂そのものであり、具現者であった。 三国連太郎が亡くなったがNHKが待ち構えてゐたやうに彼の反戦思想の部分のみを誇大に取り上げて早速放映し頭の先で考えた浅薄な理論に若干の情をまぶして如何にも視聴者の先達のやうな面をして喋る朝日のニュースキャスター、こう言う悪い環境の中で育ちながら、毅然としてわが国に誇りを持ち、国を守ろうと立ち上っておられる40歳代前後以下の若い方々に萬斛の敬意と期待を表します。

天風先生の真の意志を継ぐのは貴男女達ですから。決して明治維新の精神でも西欧の近代文明や民主主義でもありません。それは我々の血の中を流れる日本民族の血なのです。


(つづく)


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