「兵学校精神とキリスト教」(備洋会<海軍兵学校 広島県連合クラス会>2001年9月の講演より)②/7

B. 佐藤陽二と淵田大佐(ダイサ)
 この真実を愛する心が、敗戦後の父を変えた。クリスチャンの家庭に育った父は、どうせ軍人となって死ぬのなら、洗礼を受けて死のう、とクリスチャンとなって兵学校に入学した。しかし、敗戦直後、原子爆弾を落とした米国が憎くてしかたがなかった。負けた悔しさよりも、誇り高き海軍軍人(将校)として生きる道を奪った米国が憎かったのだ。そして、原子力物理学者となり、米国本土に原子爆弾を落とすのだと決意したという。とにかく米国に復讐がしたい思いで、気は狂っていたと本人は述べている。米国やソ連を憎みながらも、その一方で本当の人生の意味はなんであろうかと、真実を探求していた矛盾から、気は狂わんばかりだったのだ。

 そんな父のことを心配し、毎日祈っていたのが私の祖母である。そして、神はその祈りに応えて下さった。父は真の人生の意味を求めて、聖書を読み始めたのだった。聖書を読み進めていると、ある日、新約聖書ローマ12の19が目にとまった。そこには、「愛する人たち、自分で復讐せず、神の怒りに任せなさい。「『復讐はわたしのすること、わたしが報復する』と主は言われる」と書いてあります。」とあった。(更に、ローマ12:20「あなたの敵が飢えていたら食べさせ、渇いていたら飲ませよ。そうすれば、燃える炭火を彼の頭に積むことになる。」)

 これを読んだとき、父の心はやっと平安になり、救われた思いがした。この御言葉を通して神と出会ったのだ。この生ける神を信じ、従って行こうと決意し、やがて牧師となった。

 牧師となって10年した頃、父は家族を連れて米国へと渡った(2年間滞在。)それにはいくつかの理由があった。
(1)帝国海軍から自分を追い出したかつての敵国を見てみたい。
(2)米国人に牧師として説教してみたい。(愛の艦砲射撃)。
  そして、最大の理由は、
(3)旧約聖書を正しく教えてくれる先生に出会いたかった。民数記の、「女、子どもを皆殺しにせよ」という部分に疑問を感じ、その疑問に解答を与える先生は日本にはいなかったからだ。

 今、米国はテロ事件の報復として、戦争を始めようとしている。それは「無限の正義」などといって、神の名における聖戦であるという。実は、これは旧約聖書を正しく読めないことから来る大きな過ちである。なぜ、旧約聖書には、「神が『女子どもを見殺しにせよ』と言われた」などという記述があるのか。この疑問に答えられる人はまだあまり多くない。そして、聖書にそう書いてあるから、報復のために武力行使をすることは正しい、などと米国は言うのだ。父は35年前にこの問題を探求し、ついに米国へと渡った。ここでも真実を求める江田島精神が表われている。


― つづく -


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