一阿友人の 「原発事故」3 福島原発の今後(7)

◆いま何をすべきか?
 地層処分の推進にあたっては、「現世代が出した廃棄物の問題を現世代で解決」「あとの世代に負担をかけない倫理的な方法」と謳われています。しかし、高レベル放射性廃棄物は放射線が強く発熱も大きいので、原子炉から取出して50年ぐらいはどこかに保管してからでないと埋設できません。埋設だけですら、あとの世代に面倒をみてもらうのです。ましてや、そのあとの危険と心配はすべてあとの世代に残ります。埋め戻した処分場の存在を将来の世代が忘れたほうがいいのかどうかも、簡単に答えの出る問題ではありません。

 現在までの政策では「地層処分は安全」と強調し、これだけが唯一の方法として示されています。しかし、まずは判断を一段階戻して、地下深くに埋めるのが本当に安全で安心なのか、もっと監視しやすい方法と比べた議論から始め、国民が納得のいく判断をする機会をつくるべきです。結局、どのような方法を選んでも負担は大きく、危険と不安が残ることは避けられません。廃棄物の問題は、普通は処分場づくりよりも、廃棄物をいかに減らすかが重要課題なのに、原子力については「廃棄物を減らす**」という議論がすれ違っていることも大きな問題です。

 廃棄物を減らすために原発の利用を控えなくてよいのか、そのためにどんな社会を構想するのか、そもそもどれだけのエネルギーや資源を使うことが将来の世代に対して持続的なのか、皆で考え判断していく必要があります。

*廃棄物を減らす:原発を推進する立場では、「廃棄物を減らす」とは、放射性物質を別の放射性物質などに変えて、処分すべき量を減らす「分離変換」を指す。この方法は長年研究されているが、高レベル放射性廃棄物に含まれている数百種もの放射性物質を、目的にかなうように分離することが難しく実用化は困難で、本質的には問題は改善されない。この他に、再処理をすれば、ウランとプルトニウムを回収した分だけ高レベル放射性廃棄物が減るという説明もあるが誤り。回収したウランやプルトニウムを再び燃料にして発電すれば、それらが高レベル放射性廃棄物になるのは明らかである。

*~*~*

(了)

*☆*゚ ゜゚*☆*☆*゚゜゚*☆*
今後もこのブログをご支持下さる方は
人気ブログランキングFC2ブログランキング のクリックをお願い致します。

※姉妹サイト【日本を】『日本解体法案』反対請願.com【守ろう】では、様々な活動を行っております。

何卒皆さまの温かいご協力をよろしくお願い申し上げます。

この記事へのトラックバック

  • 転載記事:浜田和幸オフィシャルブログより転載「外交防衛委員会での質疑」2011年05月17日

    Excerpt: まずは クリックをお願いいたします! ◆◇◆次回予告◆◇◆5月18日9:00公開予定! 中国大使館への土地売却問題:害務大臣、辞めちゃえば?で、世論を喚起する作戦! 文例:「外国政府にいく.. Weblog: 【日本を】『日本解体法案』反対請願.com【守ろう】 racked: 2011-05-18 07:37
  • なぜエリートは間違えるのか?

    Excerpt: Tweet 今回の福島第一原発の事故。東電の経営陣は学歴も高くエリート。原子力保安院や安全委員会の人々も.. Weblog: ロンドンで怠惰な生活を送りながら日本を思ふ racked: 2011-05-18 08:39
  • 素敵な震災利権、放射能利権に反吐が出る

    Excerpt: 大震災 30 兆円復興利権の記事が、 週刊ポスト 2011 年 4 月 22 日号に 出ていた。 この記事から察するに、菅が震災・復興関連の組織や会議を乱立しているのは、背後に利権を巡る様々な思惑が渦.. Weblog: 賭人がゆく (旧・「賭人の独り言」) racked: 2011-05-21 17:05