一阿友人の 「原発事故」3 福島原発の今後(6)

◆処分地の選定
 原子力発電環境整備機構は、処分地を公募で選ぶことにしました。この方法は、地元の意思を尊重しているかのようですが、賛成意見と反対意見の対立という難しい問題をすべて地元に押しつけたともいえます。立候補しただけで多額の交付金が支給され、処分地に決まれば「地域振興」の取り組みがなされます。これが魅力的に映る場合もあるかもしれません。

公募は2002年から始まり、立候補した地域について、地質条件が明らかに不適格な場所を文献調査で除いたあと、ボーリング調査などで地質を実際に調べます。ここで大きな障害が見つからなければ、2010年頃から地下に研究施設をつくり、トンネルを掘って地質や地下水の流れなどを調べ、処分地にできそうな場所を2025年頃に決定するという計画になっています。立候補した地域は、よほど不適格な地質条件でなければ、処分地に選ばれる可能性があります。2006年末まで公募に応じた自治体はありませんが、スケジュールを優先するがために多額の交付金で応募を迫るようなことがあってはなりません。

◆処分スケジュールと費用
 政府の計画では、2025年頃に処分地が決まれば処分場の建設を始め、2035年頃から50年かけてガラス固化体4万本を埋め、2085年頃から10年かけて処分場を埋め戻して閉鎖するという青写真です。処分場は、原発を始めてから2020年までに発生する見込みの使用済燃料のためのものなので、それ以降に発生する分は、また別の問題となります。

処分費用は約3兆円と試算されています。資金は2000年から2020年まで電力会社が積み立てますが、処分場のモニタリングが終わる2400年頃まで、資金運用の利益が毎年あると見込んで、必要額の約半分しか積み立てません。現在の技術のままで安全を確保した処分を行おうとすると、費用が足りないおそれがあることは、NUMOの関係者も述べています。処分費用の9割近くは、積み立てが終わった2020年以降に支出する計画なのに大丈夫でしょうか?費用が足りなくなると、結局、安全性の余裕が削られるのではないでしょうか?

◆どうして、いま「地層処分」が問題に?
 原発で使い終わった燃料の後始末が困難なことは、原発を利用しはじめるときから指摘されていました。しかし、その方策のあてもないまま、原子力発電は見切り発車で始められたのです。2000年に地下に埋め捨てる法律を決めるまで、政府や電力会社などは、この大変な問題が未解決であることを、できるだけ話題にしないできました。日本は、処分資金の調達すら始めていなかったのです。

しかし、処分場探しを始めたものの、公募がうまく進まないため、「国民はこの問題を知らない」と嘆きながら、どこか処分地になる場所が出てくるように「国民のご理解」を求めています。

 公募に立候補した地域は、ゆくゆくは処分地に決まる可能性が高いのですから、それこそ立候補した地域以外は「国民はこの問題を知らない」間に、結果的に処分場になる場所が決まってしまうかもしれません。これは他の国々を追い抜くほどの急ペースです。

公募で処分地を選定するので、日本中の「放射能のゴミ」の問題が、立候補しようという地域の人が賛成か反対かという問題にすりかわってしまう恐れが大いにあります。今は、高レベル放射性廃棄物の処分がどれだけ大変か国民がよく知るべきときで、処分場候補地を慌てて決めるべきときではありません。


(続く)

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