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zoom RSS 一阿の 「焚火」 A/2

<<   作成日時 : 2012/02/11 08:37   >>

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海軍兵学校の生活の中で唯一ホットする時間は、就寝後のひと時でした。二分三十秒で服を脱ぎ褌ひとつになり、衣服をキチンとたたみ、チェストの上に90度(直角)になるや うにそろえ、ベッドの足元の毛布を広げ、夏は蚊帳まで釣って2分30秒です。勿論帽子は海岸の方向に一斉に揃っていなければなりません。 「自習室」「寝室」の掃除は15分。木の床にはバケツから雫が分散するやうに手で散水し部屋の隅々は直角に掃き一片の塵さへ残しません。何時か、永平寺の禅僧の修行をテレビで見 ましたが、兵学校の生活によく似ていました。

寝てから、一号生徒が聞きます。「エー〜三号・・・エントロピーとは何か。知っている者は言ってみろ。」「・・・T生徒。・・・」「ハイ。外国の豆であります。」一号生徒はくすくす笑い出す。勿論寝たままの姿で、である。今日、一号生徒は熱力学の時間 に「エントロピー」を習ったのだ。然しこのやうな時間が三号に許された唯一の緊張緩和の時間であった。前座が長くなった。

私は今だにエントロピーは分からない。然し50年ほど前、ある会社の親しかった技術課長がこんな事を教へてくれた。
「鉄鉱石があるだろう、その鉄鉱石を溶鉱炉で焼いて鉄板にすると、鉄板のエントロピーは鉄鉱石より高いんだ。この鉄板を機械にかけて鍋を作ると、この鍋は鉄板よりエントロピーは高くなるのだよ。」
「なーんだ。それ じゃー、文明が進めば進むほど人類はエントロピーの高くなる方向に歩んでいるのではないか。」
「そうなんだ。人類は本当は出来るだけエントロピーを低くする努力が必要と思うんだ。」友人はそう答へました。」

蕎麦屋の室内のクリーンヒーターより焚火の方がずっとエントロピーは低いのです。原子力発電による電力より風力発電や地熱発電のの方がエントロピーは低いに違ひありません。けれどもここまで放漫と言へるほど文明生活を享受している我々が、来年から自動車が今の5割upになると言はれればどうなりますが。本当にクーラーがたやすく使へなくなるのに耐えられますか。戦後あまりに異常な世界にならされすぎました。軍事からまったく絶縁され、平和と言えば平和が来るやうな、安易なものの考え方が、大流行です。

昔、亡くなった兵学校の友人が言ったことがあります。彼はFRPの世界的権威でしたが、アメリカからの帰途、飛行機の中で、年端も行かぬ貧しそうなアメリカの女性に会ひます。何処へゆくのかと問うと、ベトナムにいる自分の主人に会ひに行くのだという。東京で会うのだそうです。心配そうで苦労に満ちたその顔は、戦争に負けながら派手な化粧で嬉々とはしゃいで居る高度成長のど真ん中のわが国の娘さんと格段の差がありました。「こんなことでいいのかな」彼はつぶやきました。冥土からか彼は今どう思ってうゐるでせう。

此れは極端かも知れませんが、一遍上人は「捨ててこそ」に思ひ至り、遊行行脚の旅に出ます。自分の妻や幼い 娘を連れてです。そうしてこの超一 超ニは行脚の途上で文献からその名を消します。栗田 勇の「一遍上人」によれば彼女達は餓死をするのです。捨ててこそ と言ふのは、言葉だけではないのです。良いことをやろうと思ったならそれを実行し責任を取るのに生命をかける覚悟が要ります。

原発反対を叫ぶ人は、本当に昔の生活に戻れる覚悟があるのですか。無ければ、やっと人類が辿り着いた文明の宝を害の無いやうに必死に改良努力をするのはあたりまえじゃないですか。


(了)


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