ガラス瓶に手紙を入れて

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zoom RSS 一阿の 「おっちゃん」

<<   作成日時 : 2011/09/14 07:35   >>

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万葉の和歌「・・椿市の・・」を教えてくれたのは、今年95才の友人です。彼とは昭和28年兵庫県三田の療養所で会いました。爾来、私の最も大切な友人です。同じ病室の向かいのベッドに寝ていました。彼は37才私は27才でした。彼は「私はこの療養所へ来る前の晩、女房に別れてくれるよう頼んだんだ。あまり貧しかったからナ。・・すると女房は、はい何時でも別れます。でもそれは貴男が療養を終わって元気になられたらネ、と言いよるんだ。」とのろけられ往生しました。

私は先に退院し彼に頼まれて、奥様を見舞いました。金も無いので食パンを半斤包装紙に丁寧に包んで持ってゆきました。奥さんは大喜 びでこう言いました。「この子達は毎日パンの耳しか食べていないのよ。パンの中身がたべられるナンテ。」 下の子を柱にくくり(危ないので)上の娘は(4才)自転車に乗せ「ヤクルト」の配達をして一家を支えておられました。一番上は小学1年生の男の子。私が一番感心したのはみんなとても明るかったのです。

その頃に確かヤクルトは世の中に顔を出しました。(今年は優勝するかな。?) 友人は病室(6人部屋)では「おっちゃん」と呼ばれていました。私と友人以外は子供達でした。おっちゃんは私にいろんなことを教えてくれました。万葉時代のこと 平泉の文化 毛越寺の池の美しさ 吾妻鏡 奈良 大和の仏像 日本の良さ 美しさ ・・・。彼は私に一冊の本を呉れました。「桶谷秀昭の昭和精神史」です。僕は「保田與十郎」が大好きだと彼は私に告げました。芭蕉の碑のある「義仲寺」の與十郎の 墓の前でです。毛越寺の池のほとりを歩きながら、「廃虚が美しいのはその基礎がしっかりしとったからだ。」と呟きました。

おっちゃんは小学校しか出ていません。お家の都合で旧制中学校へ行けなかったのです。でも本がとても好きです。ある大きな大阪の商家に丁稚にやられ、便所で本を読んでいるのを番頭さんに見つ かり、いやがらせに同僚から布団蒸しにあいます。そして彼は家まで十里の道を泣いて帰ります。流石にお養父さんも二度と丁稚にはだしませんでした。

おっちゃんの部屋へ行くと、棚に辞書がぎっしり並んでゐます。国語大辞典(全十巻) 大漢和辞典(諸橋轍次全十三巻) 国史大辞典 白川さんの字通字訓 字統・・・あらゆる辞書が並んでいます。「僕の先生は辞書だ」と、おっちゃんはいつも言います。白川静を40年前に教へて呉れました。私は一応大学をでましたが、大切なことはみなおっちゃんに教はったやうな気がします。

昔の日本は豊かで静かで優しい国でした。おっちゃんは陸軍へ出征する前日、奈良の東大寺へ 行きます。そして三月堂の日光 月光の前の腰掛け台にのんびり寝ころんで時を過ごします。「これで俺も最後かもしれんな。」 すると当番の僧が来て、出門を促しました。戦後おっちゃんは「いづちゆく白きその鳥」(日本武尊命の物語)といふ自作の戯曲を持ってあの「なよたけ」の加藤道夫を訪ねます。

奥さんの加藤治子が出て来て「主人はいま散歩中です。」と答えます。おそるおそる原稿を置いて帰ると、しばらくして彼から丁寧な手紙て二三の注意と賞賛の言葉が添えてありました。おっちゃんが生涯で一番嬉しかった日です。日本人は本来あまり自分のことはしゃべりません。おっちゃんも自分の随筆や俳句や和歌は自分で製本して親しい五六人に配るだけです。しかしこれらの作品は透明感に満ちた日本人の美意識に輝いてゐます。反日亡国の どこやらのノーベル文学人とは大違いです。戦後日本人の魂を失い「さまよえるオランダ人」よろしく世界人の虚ろな目でうろうろする人間が多過ぎます。この やうな人間が大きな声で叫ぶのです。「平和 平和 平和」と。そして反戦 亡国の道をまっしぐらです。

おっちゃんの家族はすばらしい。一番上の男の子は大学を出ると岩手の江刺の山を二つ買って、農夫になります。田んぼを買うお金が無かったのです。地元の娘さんと結婚して四人の男の子をもうけます。この娘さんと二人で山の木を切っては梅ノ木を植えてゆきます。この梅の実で四人の子供を立派に育て上げました。子供達が未だ小学生であった頃一度遊び に行きましたが、子供達は小学校まで二時間ある道を歩いて通っていました。雪の日も炎熱の日もです。みんな明るくとても元気でした。

おっちゃん は一流の広告代理店の総務部長になりますが、50才の頃病になり、耳が急に聞こえなくなります。それで今までずーっと話は筆談です。おっちゃんは会社を辞 め95歳の今まで静かに心豊かに暮らしています。日本の本当の美しさを求めて・・・・。こんなに長生きができたのは、耳が聞こえなくて世の中の雑音が聞こ えないからかも知れんなと言ひます。おっちゃんのような人は日本には沢山をられます。

けれども正しい人ほど声を出しません。声を出すのは世の中の上澄みを舐め観念的に理想の社会を夢見る無責任な人達だけです。正しい人たちよ、どうぞ未だ左翼に牛耳られない「ガラス瓶に手紙を入れて」で愛国の叫びを挙げて下さい。


(了)

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