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zoom RSS 一阿の  「英人の見た海軍兵学校」 5

<<   作成日時 : 2010/07/31 06:15   >>

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(文頭で述べたように、この文章は、一英国人が昭和7年から昭和10年まで江田島の海軍兵学校で英語を教えるうちに、その教育の雰囲気と精神に感銘を受け、自国に帰ってから記したものです。)

              ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 

 段々彼等が近づいて来て、その一群一群がよく見えるようになると、沢山の頭がヒョコヒョコと上下に動いているのが目につくのだった。彼らは依然として、整然とした隊伍を組んでいた。

 ついに彼等が浜辺に到着した時は、足が少しふらつき、皮膚は青みがかった褐色を呈し、くらげに刺された跡が赤く点々と見えていた。観覧者は各群が到着するたびに、礼儀正しく拍手した。生徒達は、熱い砂糖入りの飴湯を飲むと、やがて元気を回復するのであった。(一阿注:生徒達は遠泳が終わると、フロートの付いた水上機を引き上げるスベリ{ゆるやかなコンクリートの傾斜面}を這ってあがる。)

 疑いも無く、この遠泳は苦しい肉体的試練である。その目的とするところは、忍耐と勇気とを増進することであるが、確かにこの目的は、達成されるのだ。この遠泳中痙攣を起こす者は少なくないのであるが、落伍しようなどとと言い出す者は一人もない。どんなことがあっても、落伍すまいとして泳ぎ続ける生徒の中には、力尽きて通船に救い上げられる者もいる。


一大試練の彌山登山競争

 なるほど、この遠泳は骨が折れる。しかし、彌山登山競争のほうが、もっと骨が折れるということである。彌山は、宮島の最高峰で、海抜約1400フィートある。毎年秋の一日が指定されて、その日は生徒はランチに乗って、宮島へ渡る。

 やがて、紺羅紗のユニフォームに、短剣及び剣帯、糧嚢、水筒という登山支度で、彼等は 彌山の頂上へ競争するのだ。各分隊は、時刻を異にして出発する。そして分隊中の全部のものが、頂上へ到達するのに要した時間を合計して、より少ない時間で 登山した分隊が、優勝旗を受けとるのだ。

 この競争では、チームワークが最も大切である。だから上級の丈夫な生徒は、下級の生徒の後ろにいて、激励しながら進む。道は石の段々が無数にあるので、普通の上り坂よりは、はるかに骨が折れる。個人としての最高記録は、約23分である。

 私は或る時一士官と対話していた時、この競争の猛烈な事に言及すると、「こんなことは何でもありません。私が、生徒であったときには、同日の朝に宮島へ遠漕し、午後に彌山登山競争をしたものです。」

 最初私は、彼の言うことを信ずることが出来なかった。しかし、よく調べてみると彼の言葉が、真実なことがわかった。彼が兵学校に在学したのは、1920年(大正9年)から四年間であったが、其の後当局は、同じ日に二つの競争が行われる事が、過酷過ぎると考えるようになり、現在では二日に分けておこなわれている。

 (一阿注:セシル ブロックは彌山登山競争の過酷さを述べているが、更に骨が折れるのはその競争のための毎日の訓練である。遊泳訓練の後、褌を生徒館屋上の洗濯場で洗うのであるが、そのために踊り場を含めると6箇所の階段を2段とびで駆け 上がらねばならない。各踊り場には上級生がまっていて、勢いがないと何度でも一階から遣り直しを命ぜられるのである。これは真夏から11月3日の競争の日まで延々と続く)


(続く)

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