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zoom RSS 一阿のことば 59 「てふてふのこと 1」  

<<   作成日時 : 2010/03/14 10:05   >>

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    てふてふが
    だったん海峡を
    渡っていった
という有名な三行詩が あります。一羽の蝶が真っ白な薄い羽を上下に、
てふてふと扇ぎながら何一つ無い紺青の海原を北に向かって飛ぶ様子を、
安西冬衛は詠いました。これを
    ちょうちょうが
    ・・・・・
    ・・・・・
とすると、何のことだか分からなくなります。重たい蝶々は海に落ちて
死んでしまいます。
ところが今は蝶々はちょうちょうで、決しててふてふではありません。

日本人が「いね」と言うとき「い」は生命のい、「ね」は根っこ」のねを、
こころの奥深く思い出しています。
しかし顕在意識、つまり頭の中では意識しません。

懐かしいあの「夏も近ずく八十八夜」の歌の中の、眼の覚めるような
田植えの緑と、
ふと 「小さい秋」を見つけに行った時に見る黄金色の稲穂は
日本人の心の景色です。
「ine」と言う発音で、韓国人も、中国人も、欧米人も、
我々と同じようなイ メージを持ちません。これが言葉と言うものです。

かって海軍兵学校の国語の教官であった那珂太郎さん(福田正次郎大尉)は
次のような俳句 を作られました。
    あの世まで つづく紺青の 空の夏
以下教官の言葉
「あの世までつづく紺青の空」などといふ言ひ回しは、
修練を積んだ俳人はしないに違ひない。これに季語はないから、
「の夏」と付ける。

冬・春は論外、秋より夏をよしとした。そこに一拍置くから、「空」が切れとなる。
いかにも素人の語法といふほかあるまい。
書展でこの句を見て、半世紀余も昔の元海軍兵学校生徒だった知友(一阿)がすぐ、
戦争末期の神風特攻隊を想起した、と言った。
それを意識して作ったわけではないが、言はれてみればなるほどと、
納得できた。
付け足した 「夏」の一語がそんな連想を喚起したのである。

特攻隊までは思い及ばなくても、戦争の記憶をもつ読者は、
「夏の空」とあるだけで、
あの敗戦の日の、青く深く晴れた夏空を思ひ出すかもしれない。
しかしそれは戦争体験を持つ読者のみに可能な感受であって、
戦後に生まれ育った人にこれを求める ことは無理、
たぶん若者はここから戦争を連想することはないのではあるまいか。

ところでこの句、文字で見るかぎりでは、
「紺青の空」はあくまで青空のイメエジを喚起す るにとどまるだらうが、
音読するとき、「あの世までつづく」との対比から
「紺青」は「今生」ときこえないだろうか。
晴れ渡った青空に吸ひ込まれるやうな、
この世からそのままあの世へ吸ひ込まれてゆく思ひ。
------実は作者はそんなことを意識して「紺青」の語を
用ゐたわけではなかった。
これもまた、別の友人に指摘されて、はじめて作者に意識化されたことである。

すべての詩作品は、これを読む人によってはじめて成り立つのであり、
いはば作品の実質は 読者によって作られるといっていい。------以下略。

この「俳句寸感」は2003年10月刊の「二十世紀名句手帳」のなかに
載せられたものです。
「十年ばかり前新橋での書展でご覧くださって、一阿さんが仰言った言葉を
引用させていただきまし た。お許し下さいます様。」と言うご丁寧な手紙の中に入っていました。

教官は今から十六年前、芸術院賞、恩賜賞、歴程賞をもらわれ、
同時に中村鴈次郎と一緒に芸術院会員になられましたが、
実にやさしく、ひかえめなお人柄で口の悪い小島直記氏も
1999年の「選択」紙上で那珂太郎教官(一阿にとっては今も教官)を激賞しています。

日本の悪口を外国で喋り捲るどこかのノーベル賞作家と違って、
本当の日本のこころを持ってわが国を愛し、
かって自分が海軍兵学校の国語教官をしたことを誇りにしておられることを
私はひしひしと感じたことがあります。

何故今日ことばのことを書くかと言うと、我 々が使う言葉こそ
大和魂に深くかかわっていることを告げたいからです。
それ故にこそGHQは上陸後直ちに戦前の日本語を廃し、
左翼の言語学者や文学者を使って、新仮名使いを強制してきたのです。

今日の文章の中で、那珂太郎さんの俳句寸感だけが本来の旧仮名使いです。
今も教官は絶対に新仮名はお使いになりません。著書も全て旧仮名ですから、
出版元が困って新仮名に変更を懇願するのですが、
頑として受け付けられないのです。

それ故かあらぬか、先生の御著書はきわめて少ないと言われています。
次回からしばらくことばの問題を続けます。

かって、一阿は中学以来の知友で文学者に
「おい、文学とはいったい何なんだ」と聞いたこ とがあります。
彼は即座に「それは、おまえ目に見えないものを、ことばと言うマチエールを使って、
目に見えるようにすることだよ」と返答しました。

言葉が乱れると、国が乱れるのです。国が乱れると、言葉が乱れるのです。
GHQはそれを 狙いました。何故敗戦後昔の言葉を変えて使わされているのか。

(続く)

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